個人事業主の節税は経費を知ることから

フリーランスとして個人事業主になるなら、税金についての知識は欠かせない。個人事業主は税務署に開業届を提出し、事業所得として申告・納税する。事業所得、とくに所得控除額でメリットがある青色申告を利用することは、小さな会社の決算とほぼ同じだ。売上から経費を差し引いたものが利益となり、それが課税のベースになる。そのため、正しく節税するには経費についての理解が大切だ。
当然ながら、領収証をすべて取っておけば経費になるわけではない。個人事業主には仕事の取引主体と、一般個人としての経済生活の二面があり、後者は事業の経費に含まれない。例えば、エンジニアとしてリテール決済システムをハワイへ見学に行き、パッケージツアーの旅費を経費に含めても通常は認められないのだ。個別のプロジェクトに必要な費用なら問題はなく、システム開発などの原価計算と捉えれば理解しやすいだろう。
もちろん、個人事業主として事業を行なうためのパソコンへの投資をはじめ、スペースコストや光熱費などは、あらゆるプロジェクトに共通するコストとしてルールに従って経費にできる。その場合でも、当然ながら事業と一般個人の生活用は、切り分けなければならない。
節税と経費を誤魔化すことは、全く異なる。事業に紐付けできる費用はもれなく洗い出して帳簿に記載し、税務上のルールに従って経費にしていくことが重要だ。そこが節税の要になるが、近年ではクラウド会計システムなどで帳簿管理は容易になっている。

経費をもれなく計上して節税対策

個人事業主の税金は、同じ収入でも節税対策をするかしないかによって、支払う税金額が100万円から10万円に変わることがある。そのため、節税対策を学ぶことは売り上げを上げることと同じくらい大切であり、できそうな節税対策はどんどん取り入れたいものだ。
節税対策の基本は、経費をもれなく計上し、活用できる控除をしっかり使うことだろう。また、節税を考えるのであれば、青色申告の承認を受けることが必須だ。確定申告には、白色申告と青色申告がある。青色申告は白色申告よりも、多く書類を作成しなくてはならない。しかし、白色申告での特別控除額が10万円なのに対し、青色申告で確定申告を行なうと特別控除額は65万円となり、控除額だけを比べてみても節税効果が絶大だ。
青色申告のメリットは、この他にも家族従業員の給与を経費にできたり、購入した備品が30万円未満なら一度に経費にできたりと様々ある。自宅の一部が事務所なら、合理的な基準で事務所と住居の割合を計算し、事業所にあたる部分だけの家賃や光熱費を、家事按分の経費として計上することが可能だ。電話料金やインターネット代、ガソリン代なども、事業の割合に応じて計上できる。
また、経費の計上を忘れがちなのが交際費だ。事業がらみの飲食や交通費、冠婚葬祭に関わる費用で5,000円以上のものは、接待交際費として計上できる。このように、個人事業主として支払う税金を抑えるべく、上手に節税対策を取り入れながら国民の義務である納税に対応したいものだ。